リップヴァンウィンクルは、1997年にスタートしたファッション ブランドです
「リップヴァンウィンクル(rip van winkle)」は代官山の某人気ブランドのショップスタッフデザイナーだった白谷直樹氏と大野雅央氏によって1997年に独自に立ち上げられたドメスティック・ファッションブランドです。その時々の発想を最優先とするため、統一化されたブランドコンセプトは設けてないとのことですが、ブランドの基本的な考え方として、素材を吟味しカッティングにこだわったデザインを作り上げていく姿勢があげられます。リップヴァンウィンクルのカットソーやデニムは、そのこだわりのカッティングから、大変綺麗なデザインのアイテムとして知られています。特にデニムはステッチワークや染めにもこだわりが感じられます。あるときはバランスにこだわるかと思えば、敢えてアンバランスなデザインを発表したり、変幻自在のブランドといえます。なかでも保温性も優れたレザージャケットはソフトなベビーラム素材を使用して着心地が軽く、どんなボトムスにもにも合わせやすいバランスの良いデザインでこの冬のお勧めです。
もともと「リップ・ヴァン・ウィンクル」とは、19世紀のアメリカの小説家ワシントン・アーヴィング作の短編小説の題名です。また、この小説の主人公の名前でもあります。リップヴァンウィンクルのお話はまさに「アメリカ版浦島太郎」とも言うべき内容で、昔からその類似性が指摘されてきています。基本的な筋の内容は、主人公にとっては時間の経過がさほどではないのに、世の中ではいつの間にか長い時が過ぎ去ってしまっていた、というもので、基本的な筋の類似性から、「西洋版浦島」と呼ばれることもしばしばです。「リップ・ヴァン・ウィンクル」は、アメリカにおいては伝説的な人物として知られており、「時代遅れの人」を意味する代名詞として使われることもあります。故松田優作主演の映画「野獣死すべし」でも効果的にリップヴァンウィンクルのエピソードが使われていました。あえてこんな主人公の名前をブランド名にするあたりに、このブランドのコンセプトがうかがえるかもしれませんね。
新作が毎シーズン発表される高品質でしゃれたデザインのレザーウエアも、着心地が良くてかっこいいという文句の付けようの無いアイテムで、リップヴァンウィンクルの人気の秘密となっています。ブランドコンセプトがないのも、リップヴァンウィンクルの服を着るそれぞれの人がその人にあった着こなしを自由に楽しんで欲しいという考えかたから来ているのかもしれませんね。タイムリーに「これ欲しい」と思わせる服を発表して、その服を買った人が自由にリップヴァンウィンクルを着こなすと良いと思います。またふたりのデザイナーの服への愛情は、染めや縫製へのこだわりにも現れています。リップヴァンウィンクルは、ちょっと悪ガキ風のロックテイストなファッションとたら得られがちですが、デザイナーがその時々の発想を大切にして作り上げているので、誰でもお気に入りの一着を見つけることができると思います。リップヴァンウィンクルは高校生から中年オヤジ・オバンまで人気があるのもうなづけますね。